「限定承認」とは、相続人が被相続人の「借入金」「未払金」「保証債務、連帯債務」などの負の財産を清算して、財産が余る場合、それを引き継ぐという方法です。
限定承認は、手続きは複雑で時間がかかり、申立をしてから手続きが終わるまでに1年から2年かかることがあります。
また、必ず相続人全員が家庭裁判所に申立をする必要がある為、相続人全員の意見が一致しない場合、申立が出来ないこともあり、相続人同士が対立関係にある場合、利用が困難です。
このような理由から、限定承認を選ぶ人が少ないのが現状ですが、状況によってはメリットも大きいのが限定承認です。
相続財産が借金などの超過の状況にあるかどうか不明な場合や、被相続人の債務超過が確定していても、相続財産の中で必要なものがある場合、その財産を確保することができます。
限定承認では、任意売却により不当な廉価で売却される弊害を阻止し、公平な換価を実現するために次の法律が定められています。
「債権者などに弁済をするにつき、相続財産を売却する必要があるときは、限定承認者はこれを競売に付さなければならない」
とされており、限定承認の手続き完了までに、少しでも相続財産を処分してしまうと単純承認をしたものとみなされます。
手続きも難しく、注意点も多い選択となりますので、限定承認を選択するかの判断も難しいものになると思います。
最善の選択が出来るよう、ぜひ、専門家にご相談ください。